公開日:2026年8月24日|北海道在住・電気工事自営業 かめきち

まず数字を見ろ
帝国データバンクの最新データ(2026年7月報)によれば、電気工事・管工事を含む「設備工事業」の倒産は2026年1〜7月で前年比20.5%増の45件と大きく跳ね上がった。
2024年通年では設備工事業だけで411件。建設業全体(1,890件)の約22%を占める。
さらに2025年度の全国倒産件数は1万425件と4年連続増加。もはや「電気工事業だけの問題」ではなく、日本の建設業が丸ごと崩れかけている。
| 年度 | 建設業全体の倒産件数 |
|---|---|
| 2022年 | 1,474件 |
| 2023年 | 1,770件 |
| 2024年 | 1,890件(過去10年最多) |
| 2026年1〜7月 | 前年比20.5%増ペース |
出典:帝国データバンク「建設業倒産動向調査」
原因① 人手不足——「仕事があっても回せない」地獄
電気工事士の有効求人倍率は2025年6月時点で3.8倍。全業種平均の1.17倍と比べると3倍以上の差だ。
- 若手が入ってこない
- ベテランは引退していく
- 残った職人に仕事が集中→疲弊→退職の悪循環
受注を断る→売上が落ちる→固定費が払えない→倒産。
「黒字なのに人手がなくて廃業」という話が、もはや他人事じゃない時代だ。2025年度の人手不足倒産は441件(前年度比1.3倍)と過去最多を更新した。
原因② 後継者不在——「社長が倒れたら終わり」
電気工事業の後継者不在率は57.3%(2026年最新)。
- 60代以上の社長が多い
- 子どもが継がない
- 従業員に引き継げるノウハウも資金もない
2024年度の「後継者難倒産」は507件と2年連続500件超え。代表者の「死亡」を理由とした突然の倒産も158件発生している。
計画的な事業承継をせずに突然廃業——これが電気工事業の「静かな死に方」だ。
原因③ 資材高騰+下請け構造——「売上があっても儲からない」罠
銅価格は2024年5月に過去最高値の1,750円/kgを記録。電線・ケーブルの原価は跳ね上がったまま高止まりしている。
問題はここからだ。
元請け→1次下請け→2次下請け→小規模業者という多重構造の末端にいると、いくら資材が上がっても「価格転嫁をしろ」と言い出せない。
- 資材コストが上がる
- でも請負金額は変わらない
- 利益がゼロに近づく
- 資金繰りが悪化する
- 倒産
2024年に建設業で「物価高」が原因の倒産は250件。小規模事業者の92.2%が従業員10人未満というデータが示すように、体力のない小さな会社から順番に消えていく構造になっている。
💬 SNS・現場の声
🗣「仕事は毎月あるのに、材料代の先払いで資金が尽きた。銀行は貸してくれなかった」(X・電気工事業40代)
🗣「後継者もおらん、職人も来ん、銅は高い。もう限界やと思ってる」(X・一人親方50代)
🗣「公共工事なのに入金が遅すぎて先に死ぬ。これが建設業の現実」(YouTube コメント欄)
🗣「親父の会社、受注は増えてるのに去年廃業した。理由は人手不足。笑えない」(X・20代)
✅ 生き残っている会社の共通点
厳しい環境でも生き残っている電気工事会社には、はっきりした共通点がある。
- 🏆 直接取引が多い——多重下請けの末端にいない
- 🏆 採用に金をかけている——求人媒体・SNS・待遇改善に積極的
- 🏆 資金繰りを先読みしている——手元資金3ヶ月以上を常にキープ
- 🏆 承継計画がある——税理士・弁護士と早期から動いている
- 🏆 IT化している——工事管理システムで少人数でも高回転
🛠️ 今すぐできる3つの対策
① 銅・電線の相場変動を毎月チェックする → 請負金額に「資材変動条項」を入れる交渉をすること。データがあれば話せる。
② 補助金・助成金を使い倒す → IT導入補助金・ものづくり補助金は電気工事会社でも対象になる。申請しないのは損だ。
③ 帳簿・資金繰り表を毎月作る → クラウド会計ソフト(弥生・freee)を使えば月1時間で把握できる。
📦 関連リンク
| 用途 | リンク |
|---|---|
| 経営管理書籍 | 📚 Amazon「電気工事 経営」関連本 |
| 原価管理ツール | 🛒 楽天「工事 原価管理」 |
| 事業承継本 | 📚 Amazon「事業承継 中小企業」 |
| 電工用工具 | 🔧 楽天「電気工事 工具セット」 |
まとめ
電気工事業が倒産する理由は、「仕事がない」からじゃない。
人手不足・資材高騰・下請け構造・後継者不在——この4つが重なって、「仕事はあっても会社が持たない」状況が生まれている。
北海道で20年以上現場を回してきたかめきちが言える現実として、「気合いと根性だけでは乗り越えられない壁」が今の電気工事業にはある。
数字を見て、手を打つ。それだけだ。
