
20年前、私は電柱での作業中に落下し、骨折と筋肉断裂という重い労災事故を経験しました。
安全帯は着けていたものの、ほんの一瞬の油断が命を左右することを、身をもって知りました。
あの事故以来、「高所作業は慣れが一番危ない」という言葉の意味を痛感しています。
だからこそこの記事では、落下事故を防ぐための5つの鉄則と、万が一に備える保険の選び方を、実体験を踏まえた視点でお届けします。
高い場所で働くすべての人に、事故を未然に防ぐための「意識」と「備え」の大切さが届くことを願って——。
高所作業のリスクとは?事故事例から学ぶ現場のリアル
1. 墜落・転落事故
- 最も多い死亡災害の原因。高さ2m以上からの転落でも命に関わる。
- 足場の不備、安全帯未使用、昇降時のバランス崩れなどが主因。
2. 落下物による二次災害
- 工具や資材の落下が、下にいる作業員や通行人を直撃する危険。
- 落下防止ストラップやネットの未設置が原因になる。
3. 感電事故
- 電柱や配線作業では、高電圧に触れるリスクが常に存在。
- 絶縁不良や誤接続による感電が発生しやすい。
4. 崩壊・倒壊事故
- 足場や仮設構造物の強度不足、設置ミスによる倒壊。
- 特に強風や地震時にリスクが高まる。
5. 気象条件の急変
- 雨・風・雪・熱中症など、環境変化による事故が多発。
- 特に屋外作業では、天候の急変が命取りになる。
6. ヒューマンエラー(慣れ・疲労・油断)
- 「いつも通り」「慣れてるから大丈夫」が事故の引き金に。
📌 法的定義と義務(労働安全衛生規則)
高さ2m以上の作業は高所作業とされ、事業者には以下の義務があります:
- 作業床の設置(足場・手すり・親綱など)
- 墜落制止用器具(フルハーネス)の使用
- 特別教育の実施と安全管理体制の整備
実際に起きた高所作業の労災事例【2025年最新版】
これらの事例に共通するのは、「安全帯未使用」「足場不備」「踏み抜き」など、基本的な安全対策の欠如です。
また、「慣れ」や「油断」が事故の背景にあるケースも多く、経験者ほど注意が必要です。
事故の背景にある“油断”と“慣れ”の怖さ
高所作業における事故の多くは、「慣れ」や「油断」が引き金になっています。
毎日同じ作業を繰り返す中で、「いつも通りだから大丈夫」「これくらいなら平気」という感覚が生まれやすくなります。
しかし、事故は“いつも通り”の中で突然起こるのです。
経験豊富な作業員ほど、基本の安全確認を省略しがちで、リスクが高まる傾向があります。
この経験から学んだのは、高所作業では“技術”よりも“意識”が命を守るということ。
どんなに熟練していても、どんなに慣れていても、安全確認を怠らない姿勢が最も重要です。
体験談から学ぶリアルな教訓
「慣れている作業だから大丈夫」——その油断が、事故の引き金になったのです。
現場では「いつも通り」が最大の落とし穴になることを、私は身をもって学びました。
この事故をきっかけに、私は安全確認の徹底と「もしも」を想定した行動を何よりも重視するようになりました。
たとえ時間がかかっても、「命を守るための一手間」は絶対に惜しんではいけないと強く感じています。
この記事を読んでくださっているあなたにも、「慣れ」や「油断」に潜む危険を、ぜひ今一度見つめ直していただけたらと思います。
まとめ|“慣れ”が命取りになる前に、できることを
高所作業における最大の敵は、「慣れ」と「油断」です。
どれだけ経験を積んでも、基本の安全確認を怠れば、命を落とすリスクは常に隣り合わせにあります。
- 高所作業には「墜落」「感電」「落下物」など多様なリスクがある
- 実際の労災事例では、安全帯未使用や足場不備が主な原因
- 「慣れ」や「いつも通り」が事故を引き起こす心理的トリガーになる
- 落下事故を防ぐには、5つの鉄則(安全帯・点検・声かけなど)を徹底すること
- 万が一に備えて、保険や資格取得によるリスクヘッジも重要
「あのとき、ちゃんと確認していれば…」
そんな後悔をしないために、今できる対策を一つずつ積み重ねていきましょう
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