50代社長が教える「大人の葬儀マナー」～品格は守れ～

50代ともなれば、悲しいかな結婚式よりも葬儀の案内が増えてくる。 ましてや我々は「代表」という肩書きを背負った身。適当な振る舞いは会社の看板に泥を塗るようなものだ。

かといって、見栄を張りすぎて財布が軽くなるのも痛い。 今回は、北海道で自営業を営む50代男性に向けた、**「コスパよく、かつ品格を保つ」**葬儀マナーの極意を伝授する。

1. 北海道の常識は、本州の非常識？「香典と領収書」

道内出張が多い我々には当たり前だが、北海道の葬儀受付では**「香典の領収書」**が出る。

• 本州の場合： 領収書なんて野暮なものは出ない。
• 北海道の場合： 受付で香典袋を開封され、その場で金額確認、そして領収書発行。

【50代・代表のポイント】 受付で「中身を確認される」ことを忘れるな。 ピン札は避けるのがマナーだが、あまりに汚いお札も恥ずかしい。 そして、この領収書は経費精算（交際費等）で必要になる場合がある。黙って受け取り、ポケットではなく内ポケットへスマートにしまおう。

2. 香典相場：見栄は張るな、だがケチるな

50代、しかも代表となれば、20代の頃のような「3,000円」は通用しない。 だが、無理をして数万円包む必要もない。あくまで「相場」を外さないことが大人の知恵だ。

• 取引先・知人：5,000円 ～ 10,000円
  • 5,000円でも失礼ではないが、関係が深いなら1万円が無難。
• 親族：30,000円 ～ 50,000円
  • ここは親戚付き合いの深さによる。

【裏技】 無理に供花（スタンド花）を出さず、香典一本に心を込める。 中途半端な額の供花を出すより、きちんと参列し、焼香する姿を見せる方が、相手の記憶に残るものだ。

3. 服装：その礼服、腹は入るか？

美味しいものを食べ、飲み歩くのが大好きな我々にとって、最大の敵は**「体型変化」**だ。 「10年前に買った高い礼服があるから大丈夫」とタカをくくっていないか？

• ズボンが閉まらない： 最悪だ。焼香で頭を下げた瞬間にボタンが飛ぶなんて悲劇は避けたい。
• デザインが古い： 50代なら「ダブル」のスーツでも貫禄が出て良いが、あまりに肩パッドが巨大だと時代錯誤に見える。

今すぐクローゼットを確認してほしい。 もしサイズが合わなければ、量販店で手頃な「シングル」のブラックスーツを新調するのも手だ。最近のは安くても黒色が深く、安っぽく見えない。

4. 参列のタイミング：北海道は「通夜」がメイン

北海道の一般参列（親族以外）は、**「通夜」**に行くのが一般的だ。 翌日の告別式は親族中心で行われることが多い。

• 仕事終わりでも駆けつける： 遅れても、行かないよりはずっと良い。
• 焼香の作法： 自社の代表として見られている意識を持つ。前の人の真似でいいが、堂々と行うこと。

まとめ：大人の男は「所作」で語る

礼服が最新でなくても、相手を悼む気持ちと堂々とした振る舞いがあれば、格好はつく。 競馬で負けた週末でも、葬儀の場では背筋を伸ばし、「代表」の顔をして故人を送ろう。

それが、50代の男の嗜みというものだ。